ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

日米金融政策のギャップと株価、為替 ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

7.15は「1893」で前週比「+0.3」。

7月月間では今のところ「+1.2%」。

直近最高値2021年9月の「2120」から約「-10.7」%水準。

日本10年債利回り

※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

7.15は約「0.22%」(前週末は「0.24%」)で前週より低下。

ドル/円(ここ5年)

※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com

7.15は1ドル「138.5」円。前週は「136.1」円で今週は大幅に円安。

米ドル指数は前週「106.7」。

今週は「107.8」で今週もドル高。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2022年4月末

7.15の日本バフェット指標は「1.27」で前週(1.27)と変わらず。

直近の10年移動平均は「1.05」で、今は移動平均より約21%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高~割高

と推測。

7.15の日本の時価総額は約「709.5兆円」(全市場の合計値)。

昨年3月頃から続いていたレンジ(720~770兆円くらい)より少し低い水準。

過去最高は2021年9月の805.3兆円。

※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20220218175914p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2022年2月10

2022.7.8 30265億円(約3.0兆円)。

前週比-1596億円、ここ4週ほど増減幅が大きい状況。

水準としては長期平均の「2.4兆円」より多く、この指標から株価水準は

やや割高?

と推測。

<2020年1月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR 

f:id:yukimatu-tousi:20210109161538p:plain

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月~2020年12

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2022年6月の日本株のPBRは「1.1」倍(前月比-0.1)。

2021年以降1.2~1.3倍で推移していましたが、6月は低下。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均は「1.1」で水準としては

ふつう?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(買い方)

f:id:yukimatu-tousi:20210116140958p:plain
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータ ※グラフ期間:2001.6.1~2021.1.8

7.8は「-12.16」(前週は「-13.13」)で前週より改善。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう~やや不安

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

7.15は「21.67」。前週の「22.41」より低下。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

ふつう~やや安心?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高~割高?

★信用買い残⇒やや割高?

★東証一部PBR⇒ふつう?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?

上記から日本株式の水準は

「やや割高?」

と推測。

日本株の投資タイミングに関して「ややネガティブ」か。

リスク資産への配分をごく控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。

※個人の直感、感想です。先のことは不明。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、日本の時価総額:高水準

●信用買い残:やや割高水準

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

7.15のドル建て日経平均は約「193」で前週(195)より低下。

コロナ前のピークは約「219」。

コロナ後のピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-33%」水準。

ドル建て日経平均は1年5ヶ月ほど下げ相場継続中。

日欧米株価指数、直近ピークからの水準

☆TOPIX直近高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約-11%水準(前週は-11%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50直近高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約-21%水準(前週は-22%)

☆S&P500直近高値「4819」(2022年1月

 ⇒現在約-20%水準(前週は-19%)

※すべて現地通貨建て

今週は小幅な値動き。

日本株はほぼ動かず、米国株がやや下落、欧州株はやや上昇。

引き続き直近ピークから

●日本株は-10%前後

●欧米株は-20%前後

水準が継続中。

TOPIXと200日移動平均

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均。

200移動平均線はやや下向き。

移動平均から約「-2.3%」(前

週-2.8%)水準で、移動平均にやや接近。

おわりに

※出所:マーケット|SBI証券

ダウとTOPIX、ここ半年の比較。

ともに現地通貨建てでの値動き。

ここ半年だとTOPIXがダウより好成績。

 

※出所:マーケット|SBI証券より作成

上記はここ10年のダウとTOPIXの比較。

2013~2015年のTOPIXの強さが一目瞭然。

 

「①ここ半年」と「②2013~2015年」に共通していること、それは日本と米国の金融政策のギャップ。

①では日銀は「緩和」的、FRBは「強く引き締め」的。

②では日銀が「極めて緩和」的、FRBは「そこそこ緩和的」。

上記のようなギャップがあり、結果論ではありますが

より緩和的な日本のTOPIXの方が、より引き締め的な米国のダウより強かった

といえそう。

今後また日米の中銀政策のギャップが大きい時期が来れば、先物でTOPIXとダウのロングショートを組み、その差異から利益を生み出す、という手法は一考の価値があるかもしれません。

※CFDを利用すればよりバリエーション増加

もっとも①②ともに激しく円安が進んだ時期でもあるので、単純に円でドルを買って為替で攻める、というのもありだったわけですが。

とりあえずここ半年でみるとTOPIXがダウより強く(現地通貨建て比較)、その理由の主因は日米中銀スタンスの差で、明確な「中銀スタンスの差異」は「比較的期待値の高い投資タイミング」を生みやすかったと思われます。

※今後のことは不明。投資は自己責任で

今、世界的には物価上昇により金融引き締め的な国が多いですが、今後日本でも「物価上昇⇒日銀スタンスが引き締め方向に変化」ということが起きるのかどうか、その際激しく円高株安となるのかどうか、来年日銀総裁が交代する予定であることもあり、気になる状況。

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