中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※中銀の金融政策を確認する意味についてはコチラ
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
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PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheetより作成 ※単位:1億元
ここ約1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年11月末:約35.9兆元(610兆円)でした。
前月比+1兆円。
2018年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
2018年は11ヶ月経過時点で資産は減少傾向。
2015年以来の珍事となるか。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2018年11月末:約2223兆円
・前月比+6兆円。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年は11ヶ月で14兆円増加。
2017年は年間で約182兆円増えていました(ひと月平均15兆円ほどの増加ペース。2016年は約249兆円)。
2017年のペースからすると、今年の進捗率は11ヶ月で7.7%程度。
巨額の緩和マネーを吐き出していた中銀が
2018年はその流れを突然鈍化・静止させた
といえ、2018年の株安の一因と推測されます。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年の各中銀のバランスシート動向(11月末まで)
●PBOC・・・−7兆円(2017年:+32兆円)
●ECB・・・+25兆円(2017年:+105兆円)
●FRB・・・-39兆円(2017年:±0兆円)
●日銀・・・+35兆円(2017年:+45兆円)
11月までで2018年の4中銀の量的緩和動向をみると、
●PBOC:激しいペースダウン、量的縮小?
●ECB:激しいペースダウン
●FRB:明確な量的縮小モード
●日銀:ややペースダウン
というところ。
昨年の動きと比べると
2018年、日銀以外は量的緩和から手を引いている(FRBは明確な縮小)
という印象を受けます。
おわりに
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成 ※2018年は11月まで
2007年以降の4大中銀トータルでの年間での資産増減の推移です。
このままいくと2009年以来の低い増加額となりそう。
<2018年の各中銀のバランスシート動向(11月末まで)>
●PBOC・・・−7兆円(2017年:+32兆円)
●ECB・・・+25兆円(2017年:+105兆円)
●FRB・・・-39兆円(2017年:±0兆円)
●日銀・・・+35兆円(2017年:+45兆円)
2019年のざっくりした個人的な予測。
●PBOC・・・?
●ECB・・・ほぼ増えない?(2018年で新規債券購入終了)
●FRB・・・年間で「−40~−65兆円」程度?
●日銀・・・年間で「+20~+40兆円」程度?
PBOCの今後の動向について、わたしは全く把握していないので、4つトータルの動向は不明ですが、PBOCが今年程度の動きになるようなら、4中銀トータルで2019年はマイナスになる、可能性はありそうです。
もしそうなれば、市場にとってはネガティブ。
ただ、景気次第ではFRBのスタンスが今後緩和的になる可能性もあり(量的縮小のペースが落ちる?)、引き続き動向を確認していきたいと思います。
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