ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

株価が動く ~日本市場の概況~

f:id:yukimatu-tousi:20190308174821p:plain今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

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今週の日経平均

f:id:yukimatu-tousi:20190308174916p:plain※出所:マーケット|SBI証券

3.8は「21,026」。前週比「−2.7%」。

2019年2月末は「21,385」だったので、3月月間では「−1.7%」

昨年末は「20,015」だったので、今年は「+5.1%」。

日経平均の直近の高値は2018年10月の「24,448」で今は高値から「−14.0%」の水準。

今週の日本10年債利回り

f:id:yukimatu-tousi:20190308175335p:plain※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

3.8は約「−0.03%」(前週末は「−0.01%」)。

今週は一時プラス圏に浮上しましたが、週末マイナス圏へ大きめに沈み込み。

今週のドル/円

f:id:yukimatu-tousi:20190308230742p:plain※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com

週末に一気に円高方向に。

「1ドル=110円台」に。

2018年のピークは10月「1ドル=114.55円」で、ボトムは3月の「1ドル=104.56円」。

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

f:id:yukimatu-tousi:20190308224028p:plain※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2019年2月末

3.8の日本バフェット指標は「1.08」で先週末の「1.11」より低下。

2018年末は「1.05」で、今年は上昇。

直近の月末値ピークは2018年1月の「1.28」。

 

3.8の時価総額は約「615.5兆円」(全市場の合計値)。

確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。

現在は最大値を16.5%下回っています。

1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.76」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは

日本株は割高圏?

と推測。

下記表からは2017年春ごろの水準に近い?と推測。

f:id:yukimatu-tousi:20190308201348p:plain

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残

f:id:yukimatu-tousi:20190111162207p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年12月28

2019.3.1 23,692億円(約2.4兆円)。

前週比−150億円とやや減少。

信用買い残の数値はくすぶり続けており、日本の投資家のリスク許容度があまり上昇していないことを反映しているか。

直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円でその後、明確な減少トレンドとなっています。

水準としては長期平均の「2.4兆円」と同程度であり、この指標からは株価水準は

ふつう?

と推測。

<2017.10.27以降の推移・月末値と直近数値>

f:id:yukimatu-tousi:20190308200820p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

f:id:yukimatu-tousi:20190301223531p:plain※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2019年2月末

2019年2月末の東証一部PBRは「1.2」(前月比+0.1)でした。

直近ピークは2018年1月末の「1.5」。

長期平均の「1.1」よりやや高く、割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

f:id:yukimatu-tousi:20190201151347p:plain※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.1.11

3.1は「-13.15」でした。

前週の「-13.23」からマイナス幅がやや縮小。

今週の下落で来週はマイナス幅が大きくなるか。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

やや不安?

と推測。

割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

1998年からの

・長期平均:25.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ1年のチャート>

f:id:yukimatu-tousi:20190308201728p:plain※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート

3.8は「19.81」。前週の「16.80」より大幅上昇。

長期平均は「25.3」であり、投資家心理は

やや安心?

と推測。

割安の目安「30」より小さいので、「割安ではなさそう」と推測。

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒ふつう?

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高?」と推測します。

 

現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す

②資産配分において、株式の配分比率を減らす

③資産配分において、現金の配分比率を増やす

④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません

サブプライムバブル期と「今」のデータ比較

※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

f:id:yukimatu-tousi:20190308224659p:plain●5つの指標すべてで2007年より割安傾向に

●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-17.7%」の水準。

●東証リート指数:先週から大崩れせず(1841⇒1834)

あとがき

株価が大きめに動き、今週はロングショート、特にオプション戦略のロングショートがうまくいきました(プットで経費以上の利益)。

先週まであれほど流れていた

米中通商合意

がらみの報道が減り、欧州、日本、中国景気のネガティブニュースが増え、軟調な株価を演出しているのかのよう。

報道の論調は強気、弱気、どっちにも過剰にぶれるときもあるので、わたしは長期的な数値データが確認できる指標が好み。

一般に、株価が上がれば強気の論調、下がれば弱気な論調、そういう流れが主流と感じます。

振り回されないためには、様々な情報を参考にしながらも、最後は「自分なりの視点」が不可欠と感じるところ。

とりあえず今週は少し下げましたが、また米中首脳会談での合意ウンヌンの情報がクローズアップされれば上にもふらつきそうな雰囲気もあり、オプションも含めて基本ロングショート継続。

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