今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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TOPIX
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は「2626」で前週比「-4.9%」。
4月月間では今は「-5.2%」。
2021年9月の「2120」から約「+24」%水準。
日本10年債利回り(ここ1年)
直近値は約「0.84%」(前週末は「0.84%」)。
ドル/円(ここ1年)
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
直近値は1ドル「154.7」円。前週は「153.3」円で円安。
米ドル指数は前週「105.8」。
今週は「106.0」でややドル高。
1986年以降で3番目くらいのドル高局面。
<米ドル指数:1985年~>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
※期間:1985年1月末~2024年3月末
直近の日本バフェット指標は「1.55」(前週は1.63)。
直近の10年移動平均は「1.18」で、今は移動平均より約31%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
割高?
と推測。
直近の日本の時価総額は約「951.4兆円」(全市場の合計値)。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、世界経済のネタ帳 より作成
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2023.11の月末値
最新値は 45953億円(約4.6兆円)。
前週比+220億円。
水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は
割高?
と推測。
<2021年11月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
日本株PBR (TOPIX併記)
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2023年7月
※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2024年3月の日本株のPBRは「1.4」倍(前月比+0.0)。
直近ピークは2018年1月の「1.5」。
直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。
長期平均は「1.2」で水準としては今は
やや割高?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2023.5の月末値
最新値は「-4.36」(前週は-6.16)。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
楽観?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
直近値は「24.43」(前週は19.97)。
日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は
ふつう~やや不安?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高?
★信用買い残⇒割高?
★東証一部PBR⇒やや割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「やや割高~割高?」
と推測。
※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本バフェット指標、信用買い残、信用評価損益率:割高感あり
●日本株PBR:やや割高感あり
●日経平均VI:安心感は消失するも、ほぼ平均値
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
直近のドル建て日経平均は約「240」(前週は258)。
直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-17%」水準。
日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準
☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月)
⇒現在約+24%水準(前週は+30%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)
☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月)
⇒現在約+11%水準(前週は+12%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)
☆S&P500直近高値「4818」(2022年1月)
⇒現在約+3%水準(前週は+6%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)
※すべて現地通貨建て
週間で日本株、欧州株、米国株すべて下落。
米長期金利上昇、利下げ期待の減退、中東情勢を嫌気か。
TOPIXと200日移動平均(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。
直近値は移動平均から約「+7.9%」(前週+13.9%)水準。
2022.3月以降で移動平均の上に連続でいたのは
☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)
☆2022.7~8月:9営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)
☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)
☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)
☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)
☆2023.3~2024.4月:267営業日(ピークは+18.0%)
おわりに
信用買い残の約4.6兆円をはじめとして、総じて割高感のある日本株。
日本の時価総額は一時1000兆円以上を超えていましたが、ここ3週は1000兆円割れ。
今はほぼ950兆円。
直近の日本バフェット指標は「1.55」。
直近の10年移動平均は「1.18」で、今は移動平均より約31%高い水準。
今回の株高は40%程度がピークか、さらに高みがあるかどうか。
引き続き楽観に偏った状況は変わらず。
<日本のバフェット指標:10年移動平均からの乖離率>
※参考
※出所:TOPIX 過去のレート - Investing.comより作成
さて、ここから「暴落」はあるか。
※ここでは直近高値から20%以上の下げを「暴落」と定義
TOPIXはすでに7.9%ほど下落しました(S&P500は5.9%)。
個人的に思いつくリスクシナリオ
①米経済が想定より強い・米長期金利上昇・利下げ期待の減退・株安
②中東情勢の悪化・原油等コモディティ価格の上昇・物価上昇・景気悪化・利下げ期待の減退・株安
③米債券価格低下・一部で米債券の投げ売り発生(米債投資の損切りニーズの発生)・米長期金利上昇・景気悪化・利下げ期待の減退・株安
④2023年11月以降の景気拡大期の終了・景気悪化・株安
一方で、個人的に思いつく楽観シナリオ
①高すぎた株式バリエーションの調整作業が「米長期金利上昇、利下げ期待の減退、中東情勢」などをきっかけに実行されているに過ぎない
②米長期金利上昇や株安で景気に悪影響が出始めれば長期金利も上昇が止まり、今よりも相場は安定する
③大統領選を前に「暴落」は避けたいのでFRBや米当局が緩和的バラマキ的な行動をアナウンス、実行し、下げモードが終わる
④中東情勢が落ち着く・安心感・株価回復
個人的には「中東情勢の悪化+原油価格の急上昇」が目に見えているネタでは一番怖い感じがしますが、想定外のリスクシナリオがあるか、楽観シナリオに落ち着くか。