ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

信用買い残 5兆円水準で 株価急落相場へ突っ込む ~日本市場の概況~

今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。

 

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TOPIX

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は「2538」で前週比「-6.0」。

7月月間では「-0.6%」でした。

2021年9月の「2120」から約「+20」%水準。

日本10年債利回り(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は約「0.94%」(前週末は「1.07%」)。

リスクオフで債券高。

ドル/円(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

直近値は1ドル「146.6」円。前週は「153.7」円で大幅円高。

米ドル指数は前週「104.1」。

今は「103.0」でドル安。

1986年以降で3番目くらいのドル高局面。

<米ドル指数:1985年~>

※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 

※期間:1985年1月末~2024年3月末

直近の日本バフェット指標は「1.49」(前週は1.58)。

直近の10年移動平均は「1.20」で、今は移動平均より約24%高い水準。

一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は

やや割高

と推測。

直近の日本の時価総額は約「909.5兆円」(全市場の合計値)。

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ世界経済のネタ帳 より作成

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)

※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成  ※2001.6~2024.5の月末値

最新値は 49808億円(約5.0兆円)。

前週比+554億円。

水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は

割高?

と推測。

<2021年11月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>

※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

日本株PBR (TOPIX併記)

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2024年5月

※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR

2024年7月の日本株のPBRは「1.3」倍(前月比±0)。

2024年2~5月の4カ月連続で「1.4」倍でしたが、6月、7月は1.3倍。

6月以降は

株高でPBR低下

という珍しい現象発生中。

直近ピークは2018年1月の「1.5」。

直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。

長期平均は「1.2」で水準としては今は

やや割高?

と推測。

プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率(2市場、買い方、TOPIX併記)

※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブTOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成  ※2001.6~2024.5の月末値

最新値は「-9.36」(前週は-5.54)。

上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は

ふつう~やや楽観

と推測。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ

2000年11月からの

・長期平均:24.9

・長期中央値:23.3

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

<ここ2年のチャート:日経平均を併記>

※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成

直近値は「29.44」(前週は22.20)。

日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は

やや不安~不安?

と推測。

※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。

2018.2月:38

2018.10月:31

2018.12月:33

2020.3月:61

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒やや割高?

★信用買い残⇒割高?

★東証一部PBR⇒やや割高?

★信用評価損益率⇒割安ではない?

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒短期的に割安かも?

上記から日本株式の水準は長期的には

「やや割高?」

と推測。

※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で 

バブル期と「今」のデータ比較

出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表

●日本バフェット指標、信用買い残:割高感あり

●日本株PBR:やや割高

●日経平均VI:節目の「30」に接近

●東証リート指数:「6週下落⇒上昇⇒2週下落⇒上昇⇒3週下落」

ドル建て日経平均

<ドル建て日経平均:ここ5年>

※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値

直近のドル建て日経平均は約「241」(前週は245)。

直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-17%」水準。

日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準

☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月

 ⇒現在約+20%水準(前週は+27%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)

☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月

 ⇒現在約+5%水準(前週は+10%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)

☆S&P500、2021~2022年の高値「4818」(2022年1月

 ⇒現在約+11%水準(前週は+13%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)

※すべて現地通貨建て

週間で日本株、米国株、欧州株、すべて下落。

TOPIXと200日移動平均(ここ1年)

※出所:マーケット|SBI証券

ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。

直近値は移動平均から約「-2.3%」(前週+4.4%)水準。

2023年3月から連続で337営業日200日線の上にいましたが、2024.8.2に記録が途絶えました。

2022.3月以降で移動平均の上に連続でいたのは

☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)

☆2022.7~8月:9営業日(ピークは+1.5%)

☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)

☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)

☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)

☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)

☆2023.3~2024.8月:337営業日(ピークは+18.0%)

おわりに

信用買い残の約5.0兆円をはじめとして、総じて割高感があった日本株。

日本の時価総額は週末値では2024年3月に2週にわたって1000兆円超え。

この6月~7月に4週連続で再び1000兆円オーバーでしたが、ここ2週の急落で一気に910兆円まで減少し1000兆円は遠くなりました。

 

直近の日本バフェット指標は「1.49」。

直近の10年移動平均は「1.20」で、今は移動平均より約24%高い水準。

※2024年3月末は+41%、2024年4月末は+37%、5月末は+37%、6月末は+38%、7月末は+37%でした

今後のことは不明ですが、今回の株高は月末値では2024年3月末の+41%程度がピークとなりそうな雰囲気。

<日本のバフェット指標:10年移動平均からの乖離率>

※出所:日本取引所グループ 世界経済のネタ帳より作成

※参考

www.yukimatu-value.com

 

月末に日米で金融政策決定会合がありますが、その結果次第では来週も上にも下にも大きく動く場面がありそう。

と先週書いていましたが、個人的にはまさかの日銀利上げ、それも追加利上げの可能性も示唆する内容。

マーケットは蜂の巣をつついたような状況でリスク資産総崩れ、リスクマネーが債券や円、スイスフランなどに避難。

そんな中、先週の下げ相場でも増加した日本の信用買い残。

5兆円レベルで株価急落相場へ突っ込むことに。

先週時点で信用評価損益率は「-9.4%」(日経新聞データ)。

松井証券店内データの信用評価損益率は8.2時点で「-16%」程度まで低下。

このデータが「-20%」以下に低下していた営業日は

☆2016年1月:1日

☆2016年2月:4日  2016年チャイナショック

☆2018年12月:6日 

☆2019年1月:1日  2018年クリスマスショック

☆2020年2月:1日

☆2020年3月:16日

☆2020年4月:5日  2020年コロナショック

来週8.5には「-20%」以下まで落ちそうな雰囲気はあります。

短期的なショックで収まるか、より長期的に大ごととなるか、どうなっていきますか。

※参考

www.matsui.co.jp

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