今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測し、日本市場の概況をみてみます。
今週の日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
12.14は「21,375」。先週末比−1.4%。
週末に下落し週間でも下落しました。10月末の「21920」も下回っています。
11月末は「22,351」だったので、12月は今のところ−4.4%。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24,448」で今は高値から「−12.6%」の水準。
今週の日本10年債利回り
2018.7.23以降、日銀が0.2%程度までの金利水準を容認する?
という話もある日本の長期国債利回り。
12.14は約「0.04%」(前週は「0.06%」)。
低下基調が続き、今週は「0.03%」一瞬下回るシーンも。
2018.7.23以降の利回りの最高値は2018年10月の「0.169%」。
今週のドル/円
※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com
今週は概ね「1ドル=112円台中盤~113円台中盤」で推移。
最近は「株安⇔円高」の連動感が薄い場面も増えている印象。
スポンサーリンク
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2018年11月末
12.14の日本バフェット指標は「1.10」で先週末の「1.13」から低下。
11月末は「1.16」で、12月は現時点で大きく低下。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.28」。
12.14の時価総額は約「615.2兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を16.5%下回っています。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.76」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは
日本株は割高圏?
と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
この指標では昨年の6月頃と似たような水準。
2018年9月末以降、2か月半の下げがきつくなっています。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年7月27日
2018.12.7 30,275億円(約3.0兆円)。
前週比+1170億円と大幅な増加。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」より大きく、この指標からは
やや割高?
と推測。
<2017.10.27以降の推移・月末値と直近数値>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
今年は3月頃にピーク、10月に一度盛り返していますが、トレンドとしては3月以降は減少トレンドか。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年11月末
2018年11月末の東証一部PBRは「1.3」(前月比+0.1)でした。
11月の小幅な株高を受けて上昇。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
今回の上昇相場のピークは「1.5」となるのかどうか。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.10.26
2018.12.7は「-12.54」でした。前週の「-10.57」からマイナス幅が縮小。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや不安?
と推測。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:25.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ3ヵ月のチャート>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート
12.14は「21.84」。前週末は「21.32」だったので今週はやや上昇。
10月以降概ね「20」以上の値が多くなっています。
長期平均は「25.3」であり、投資家心理は
やや安心?
と推測。
割安の目安「30」より小さいので、「割安ではなさそう」と推測。
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「割高圏?」と推測します。
現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す
②資産配分において、株式の配分比率を減らす
③資産配分において、現金の配分比率を増やす
④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
サブプライムバブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本のバフェット指標:2007年の「1.09」に接近。ほど同じ水準
●日本の時価総額:2007年にやや接近
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-16.7%」の水準。今年はだいたいこのくらいの水準から復活してきましたが、今回はどうなるか
あとがき
昨年末の日経平均は「22765」で今は「21375」(−6.1%)。
TOPIXは「1818」で今は「1592」(−12.4%)。
最近株価の変動幅が大きいこともあり、何が起きるか分かりませんが、日本株は今年プラスで終えるのはやや難しいか。
何でも調べる人がいるようで、1980年以降、日経平均は年間マイナスだと、マイナスは1年で終わらず、必ず2~3年連続でマイナスになっているとのこと。
※1990~92(3年)、1996~98(3年)、2000~02(3年)、2007~08(2年)、2010~11(2年)
こういうジンクスだけを頼りに投資をする気にはなりませんが、月足や年足のデータというのは、長期的な傾向を見る上で便利なので、興味深くはあります。
今年もあと2週間、年末に大きく下げるイメージはあまりありませんが、どうなりますか。
関連記事