先週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
3.27は「19389」で前週比「+17.1%」。
2月末は「21143」で3月月間では「-8.3%」。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−20.7%」の水準。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
3.27は約「+0.01%」(前週末は「0.11%」)で前週より大きく低下。
先々週は大きめに上昇していましたが、先週は落ち着く。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
3.27は1ドル「107.9」円。前週末は「110.8」円で大きく円高(ドル安)に。
落ち着かない動き。
米ドル指数は低下傾向。
<米ドル指数:ここ5日>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
2019年のピークは4月「1ドル=112.41円」で、ボトムは1月の「1ドル=104.97円」。
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年2月末
3.27の日本バフェット指標は「1.01」で前週の「0.89」より大きく上昇。
直近の10年移動平均は「0.87」であり、今は平均以上。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは
日本株はやや割高?
と推測。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」(このときは移動平均から「66.6%」上方かい離)。
日本の時価総額は約「568.8兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を22.8%下回っています。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2019年4月12日
2019.3.19 18440億円(約1.8兆円)。
前週比-1240億円の大きめの減少。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」を下回り、この指標からは
やや割安?
と推測。
<2017.10.27以降の推移・月末の概算値と直近数値>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年2月末
2020年2月末の東証一部PBRは「1.0」(前月比-0.2)で大きく低下。
株価が大きく戻したので、今は「0.9~1.0」倍くらいか?
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
やや割安?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.1.31
3.19は「-31.37」。
前週の「-31.02」からマイナス幅がやや拡大。
節目の「-30」を下回り、リーマン以来の低い損益率。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
不安?
と推測。
割安の目安「-20」以下なので、割安である可能性。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:24.9
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ5年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
3.27は「52.78」。前週の「58.45」より低下。
まだ高い水準。
長期平均は「24.65」であり、投資家心理は
不安?
と推測。
割安の目安「30」より大きく株価水準としては「割安である」可能性も。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2019.5月:25
2019.8月:26
2020.3月:60
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒やや割高?
★信用買い残⇒やや割安?
★東証一部PBR⇒やや割安?
★信用評価損益率⇒割安?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安?
上記から日本株式の水準は
「やや割安?」(投資タイミングとしてややポジティブ要因)
と推測します。
また
★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)
★日本の景気 :悪化傾向(ネガティブ要因?)
と推測。
株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して
・株価水準は魅力的だが決して安易には出動したくないタイミング
か。
※個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
バブル後の株価低迷期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
先週は株価が大きく上昇し総じて割安感減退。
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-23.7%」の水準
●東証リート指数:大幅上昇
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。
下記サイトによれば今週は2回出動し4000億円ほど購入。
一回当たりの購入額は2000億円程度。
最近までは一日で700億円程度だったので、かなりインパクトのある買い方となっています。
※参照サイト:●TOPIX:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
あとがき
2000年以降で大きな投資のチャンスは
①ITバブル崩壊後の「2002~2003年」頃
②サブプライムバブル崩壊後の「2008~2009年」頃
③欧州債務危機の「2011~2012年」頃
だったと推測。
④2020年3月
は一時的に、①~③に近い状況が生まれた可能性。
わたしは①の頃はまだ投資をしておらず、②の頃は怖くて何もできず、③で日本の中小型株に全力投資して2014~2015年に全力投資から撤退しました。
今回に関してはあまりに株価下落の展開が急速であり、世界的な経済指標・企業業績の悪化や失業、社会不安が増すのは「これから」と感じており(最悪、信用不安、金融危機が起きる可能性も。一方でコロナが早期に収束すれば急速に景気回復する可能性も)、今どうしても投資しなくてもいいのかもしれませんが、FRBのホンキを度みて、内外のリート等に投資資金の3割ほどを先週前半に投入。
先週水曜日にかけてリバって異様に上げたので、東証リート指数先物の売りで約2割分をヘッジ。
今ネットでは投資資金の1割分、裸でロングしている状態。
今後、想定以上に実体経済が悪化したり、コロナが猛威をふるったり、金融危機が起きたりすれば、ヘッジ分(ショート分)の配分を増やし、ネットでは売り方になってしまう可能性もあり、これがいわゆる長期投資といえるかは疑問。
日本の中小型株で普段行っているロングショートをいじっただけ、感もあり。
以前全力投資できた
★③欧州債務危機の「2011~2012年」頃のような「割安感」
もなく、かといって
★FRBのホンキ度、なんでもあり感
を見ていると、少しは投資していいように感じ、結局、迷った末に上記のような地味なポジションになっています。
2019年夏以降、地味に世界経済は回復傾向にあったのですが、2020年2月以降、突然の景気減速と金融市場の混乱に見舞われた現状。
しつこいですが、
★世界的な経済指標・企業業績の悪化や失業、リストラ、社会不安が増すのは「これから」
と思われ
・「投資で大けがせず、リタイアしないこと」
・「頭と尻尾はくれてやれ」
・今、投資のことなど考えていられる状況が十分に幸運という感覚
・何より家族や自分、友人の健康
を大事に、しばらくは地味なリスクテイクで、チャンスが来たと感じれば、徐々にヘッジを外したり投資額を増やしていくことになるか。
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