今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
7.31は「21710」で前週比「-4.6%」。
6月末は「22288」で7月月間では「-2.6%」。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24448」で今は高値から「−11.2%」の水準。
日本10年債利回り
※出所:日本 10年 | 日本 10年 債券利回りより作成
7.31は約「0.01%」(前週末は「0.01%」)で前週と変わらず。
0%付近。
ドル/円
※出所:USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
7.31は1ドル「105.2」円。前週末は「107.2」円で今週は円高ドル安。
2019年は「1ドル=104.97~112.41円」のレンジ。
今年も概ねレンジ内ですが、下限に接近中。
米ドル指数は前週「94.7」程度。
先週に続きドル安傾向が顕著。
<米ドル指数:ここ1週間>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2020年5月末
7.31の日本バフェット指標は「1.04」で前週の「1.09」から大きめに低下。
直近の10年移動平均は「0.88」であり、今は平均より高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは
日本株はやや割高?
と推測。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.29」(このときは10年移動平均から「66.6%」上方かい離)。
7.31の日本の時価総額は約「587.8兆円」(全市場の合計値)。
今年の2月末と同水準。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を20.2%下回っています。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2020年3月27日
2020.7.22 21988億円(約2.2兆円)。
前週比-258億円。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」をやや下回り、この指標からは
やや割安?
と推測。
2020年1月末は約2.5兆円。
2020年2~3月に約1.8兆円まで大幅減少。
その後7月に約2.3兆円まで回復し今は2.2兆円程度。
<2017.12.29以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年12月末~2020年5月末
2020年6月末の東証一部PBRは「1.1」倍(前月比±0)。
2~4月は「1.0」倍、5月、6月は「1.1」倍。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
長期平均は「1.1」で水準としては
ふつう?
と推測。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※単位:% ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2020.6.5
7.22は「-17.33」。
前週の「-18.14」からマイナス幅がやや縮小。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや不安?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
7.31は「25.96」。前週の「20.98」より大きめに上昇。
日経平均VIの長期中央値は「23.4」であり、投資家心理は
ふつう~やや不安?
と推測。
そろそろ荒れ出しているのか。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2019.5月:25
2019.8月:26
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒やや割高?
★信用買い残⇒やや割安?
★東証一部PBR⇒ふつう?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「ふつう~やや割高?」
と推測。
また
★日銀の金融政策:緩和的(ポジティブ要因?)
★日本の景気 :悪化傾向?(ネガティブ要因?)
と推測。
株価水準、金融政策、景気動向から考え、現時点で日本株の投資タイミングに関して「ふつう~ややネガティブ」。
リスク資産への配分を控えめにしたポートフォリオで、ちょこちょこリバランスしながら投資継続が無難か。
※個人の直感、感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日経平均VI:長期中央値以上に上昇
●日本の時価総額:2007年6月水準に接近
●TOPIX:2018年1月高値「1911」の「-21.7%」の水準
日銀ETF買い
2018年は年間で約6.5兆円、2019年は約4.4兆円の買い出動。
下記サイトによれば今週は3回の出動で3000億円ほど購入。
今年トータルでは約5.5兆円購入。
※参照サイト:日銀ETF買い入れ結果、https://nikkeiyosoku.com/boj_etf/
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
2020.7.31のドル建て日経平均は「208.09」で前週より低下。
コロナ前の直近ピークは約「219」。
コロナ後の上げ相場のピークは約「215」(2020.6.10と2020.7.27頃)。
引き続きこの観点ではそこそこ高そうな水準。
あとがき
6954 ファナック
7751 キャノン
7201 日産
7211 三菱自動車
3099 三越伊勢丹ホールディングス
などなど、決算を期に大きく下落する銘柄が目立った今週。
決算爆弾があちこちで爆発。
ろくに業績予想も開示されていない個別銘柄に今の状況で投資するのは目隠しして車を運転するような感じはします。
一方、スーパー、ドラックストア、ホームセンター、食品関連など、巣ごもり需要もあって決算予想ができている銘柄は大崩れしない銘柄も多い。
先月のニトリ(9843)などは好決算で急騰。
株価が3月頃の底値付近まで落ち込んで苦しむ景気敏感銘柄とコロナ下でも収益を上げ続けられそうな銘柄の差は開くばかりですが、今現在手堅そうに見える銘柄も消去法的に買われ過ぎ、割高っぽいものも少し増えてきた印象。
とりあえずコロナによる悪影響を払拭できない銘柄の業績発表跨ぎは危うい印象(信用でつなぎ売りをしておくのも一つの手か)。
例えば今週わたしは「3099 三越伊勢丹ホールディングス」を決算前に空売り(7/29)、翌日5%程度の利幅がとれた時点で撤収しました。
その日は続落して結局10%も下落し、何だか損した気分になったりしましたが小遣い稼ぎはできました。
こういうことは普段やらないのですが、あまりに同じパターンが続いたので。
調子に乗ってそのうちケガする可能性もありごく少額でやっていますが、例えば一部のアパレル系、外食系、居酒屋系、小売り系銘柄などの決算はコロナの影響で今後も厳しいものになる可能性も高そう。
特に配当や株主優待などで何とか保てていそうな銘柄の株価は決算を期に大きく崩れる可能性もあり(想定以上の業績悪化、無配、優待改悪リスク)、場合によっては決算跨ぎの取引も気が向いたら少しやっていこうかというところ。
※決算跨ぎの取引はバクチ的な要素も大きく、短期間で大きな損失を被る可能性がありそう。うまくいく保証は全くなく、投資は自己責任で
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