今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測する記事。
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TOPIX
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は「2810」で前週比「+3.1%」。
6月月間では「+1.3%」でした。
2021年9月の「2120」から約「+33」%水準。
日本10年債利回り(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は約「1.05%」(前週末は「0.97%」)で再び上昇。
ドル/円(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
直近値は1ドル「160.9」円。前週は「159.8」円で円安。
米ドル指数は前週「105.4」。
今は「105.5」でややドル高。
1986年以降で3番目くらいのドル高局面。
<米ドル指数:1985年~>
※出所:米ドル指数先物 - Investing.com 日本
5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
※期間:1985年1月末~2024年3月末
直近の日本バフェット指標は「1.65」(前週は1.60)。
直近の10年移動平均は「1.19」で、今は移動平均より約39%高い水準。
一つの目安に過ぎませんが、長期的観点からは日本株は
割高?
と推測。
直近の日本の時価総額は約「1004.6兆円」(全市場の合計値)。
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、世界経済のネタ帳 より作成
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残(2市場、買い方。TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2024.5の月末値
最新値は 49117億円(約4.9兆円)。
前週比+420億円。
水準としては長期中央値の「2.5兆円」より多く、この指標から株価水準は
割高?
と推測。
<2021年11月以降の推移・月末の概算値と直近数値など>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
日本株PBR (TOPIX併記)
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスデータより作成 ※グラフの期間:1999年1月~2024年5月
※日本株のPBRとして2022年4月からはプライム市場のPBRを使用。それ以前は東証一部のPBR
2024年5月の日本株のPBRは「1.4」倍(前月比+0.0)。
2024年2~5月の4カ月連続で1.4倍。
直近ピークは2018年1月の「1.5」。
直近ボトムは2020年2~4月の「1.0」。
長期平均は「1.2」で水準としては今は
やや割高~割高?
と推測。
プライム市場のPBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率(2市場、買い方、TOPIX併記)
※出所:信用残の推移 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ、TOPIX【998405.T】:時系列 - Yahoo!ファイナンスより作成 ※2001.6~2024.5の月末値
最新値は「-6.79」(前週は-6.07)。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
楽観?
と推測。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
2000年11月からの
・長期平均:24.9
・長期中央値:23.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ2年のチャート:日経平均を併記>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより作成
直近値は「16.13」(前週は16.33)。
日経平均VIの長期中央値は「23.3」であり、投資家心理は
安心?
と推測。
※参考:最近のリスクオフ局面の最大値(概算値)。
2018.2月:38
2018.10月:31
2018.12月:33
2020.3月:61
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高?
★信用買い残⇒割高?
★東証一部PBR⇒やや割高~割高?
★信用評価損益率⇒割安ではない?
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではない?
上記から日本株式の水準は
「やや割高~割高?」
と推測。
※個人の直感、感想です。投資は自己判断、自己責任で
バブル期と「今」のデータ比較
出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日本バフェット指標、信用買い残、信用評価損益率、日本株PBR:割高感あり
●日経平均VI:安心感あり
●東証リート指数:「6週連続で下落⇒やや上昇⇒やや下落(今週)」というさえない動き
ドル建て日経平均
<ドル建て日経平均:ここ5年>
※出所:ドル建て日経平均 (日経平均 ドル換算)より作成 ※数値は概算値
直近のドル建て日経平均は約「246」(前週は243)。
直近ピークは約「289」(2021年2月)で今はピークから約「-15%」水準。
日欧米株価指数、2021~2022年ピークからの水準
☆TOPIX、2021~2022年の高値「2120」(2021年9月)
⇒現在約+33%水準(前週は+29%。これまでのボトム、2022.3月の-17%)
☆欧州株、ユーロ・ストックス50、2021~2022年の高値「4415」(2021年11月)
⇒現在約+11%水準(前週は+11%。これまでのボトム、2022.9月の-26%)
☆S&P500直近高値「4818」(2022年1月)
⇒現在約+13%水準(前週は+13%。これまでのボトム、2022.10月の-28%)
※すべて現地通貨建て
週間で日本株は上昇。
欧州株、米国株は横ばい。
円安進行で日本株はリスクオン、他は横ばい状態。
TOPIXと200日移動平均(ここ1年)
※出所:マーケット|SBI証券
ここ1年のTOPIXと200日移動平均線。
直近値は移動平均から約「+10.6%」(前週+7.7%)水準。
2022.3月以降で移動平均の上に連続でいたのは
☆2022.3月:6営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.6月:2営業日(ピークは+0.9%)
☆2022.7~8月:9営業日(ピークは+1.5%)
☆2022.8月~9月:21営業日(ピークは+3.9%)
☆2022.9月:8営業日(ピークは+3.2%)
☆2022.10~12月:34営業日(ピークは+5.6%)
☆2023.1~3月:40営業日(ピークは+7.1%)
☆2023.3~2024.6月:314営業日(ピークは+18.0%)
おわりに
信用買い残の約4.9兆円をはじめとして、総じて割高感のある日本株。
日本の時価総額は週末値では2024.3.30に1000兆円以上を超えていましたが、ここ12週は1000兆円割れ。
6.28は久々に1000兆円を超えて約1005兆円。
直近の日本バフェット指標は「1.65」。
直近の10年移動平均は「1.19」で、今は移動平均より約39%高い水準。
※2024年3月末は+41%、2024年4月末は+37%、5月末は+37%でした
今回の株高は2024年3月末の+41%程度がピークなのか、さらに高みがあるかどうか。
日経VIも低位にあり、かなり顕著な楽観状況。
<日本のバフェット指標:10年移動平均からの乖離率>
※参考
3月以来の1000兆円超えの要因と思われること。
1:世界景気が好調であること
※出所:https://www.pmi.spglobal.com/public/release/pressreleases?language=ja、JPMorgan Global Composite PMI - Analysis - Free Historical Data、S&P500 過去のレート - Investing.comより作成
世界景気の一指標、グローバル総合PMIは昨年10~11頃をボトムに現在明確な上昇トレンド。
日本株のグローバル展開銘柄群は世界的好況の波にうまく乗れている可能性。
※参考
3月以来の1000兆円超えの要因と思われること。
2:また円安+株高モードで行けるかも、という期待感
前回の介入ポイントである「ドル円160円」を突破してもすぐには介入してこなさげな当局のスタンスや米10年国債利回り上昇、アメリカ利下げ時期の後ズレ予想などが
また円安+日本株高モードで行けるかも
という期待感を醸成している可能性。
とことんどん欲に、日米そろって行けるところまでリスクテイク、の雰囲気となるか、どうなりますか。